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人の心がもっと、もっと敏感で、ハンカチ一枚をもらっても、心から嬉しかったり、涙したりした頃の、日本人がもっとナイーブで…。
生活の中に、もっと歌の存在があった時代をうたってみたいと思います。
20世紀がもうすぐ終ろうとしている、今、失われてしまった日本の風景や、こころが、歌の中だけ、生きつづけていると思います。そんな“こころ”をこの一枚のアルバムでとり戻すことが出来たら、どんなにステキな事だろうと思うのです。
私はその時代を生きていた訳ではありません。でも、私の父、母、そして先輩たちが、そのとき、これらの歌を、どんなふうに感じながら、そして、どんな気持ちで聞いていたのだろうと考えてしまいます。
私は今、時代の語りべとして、多くの先輩たちが残してくれた美しい歌達を眠りから、もう一度さまさせて、多くのひと達に、伝えていけたらと思っています。
ひとつひとつの歌のイメージを大切にして、歌い綴ってみます。
どうぞおきき下さい。
“君がみ胸に 抱かれて聞くは…”
なんて、うねりを感じるメロディなのかしら…。
私の大好きな歌です。
遠くから恋をする、二人の為、鐘が聞こえてくるような気がします。
ジャズの響きが、本当に新鮮だった頃の歌だと思います。
心地よいスイングと、そして、クラリネットの音色が遠い小径の奥から聞こえてくるような気がします。
“友と語らん 鈴懸の径…”
ステキな詩だなぁと、あらためて思います。今では、友と鈴懸の径を語らい乍ら歩くなんて、情緒も失われてしまったような気がしてなりません。
この歌、本当に私もテレビの番組などでよくであう曲です。でもいつも思うことは、全員で元気一杯にうたったり、明るく、明るく、というイメージに思いがちなのですが、本当にこんなに100ワットの歌かしらと考えてしまうのです。
すさんだ中に、あったかい光明をみつけたような…。小さな幸福をみつけたような、そんな歌に思えてなりません。
あの時代、多くの人たちが、どんな気持ちでこの歌と触れ合ったのか…。私なりに歌ってみました。
これぞ、日本の Love song!! そんなステキな詩とメロディーですね。
これは余談ですが、この歌の作詩・作曲をなさった方は、山上路夫さんのお父様だとか…。本当だとしたら、やっぱり情緒豊かに暮らしたのだナァ…なんて思ったり。
今の日本と、ハワイまで飛行機でひとっとびとゆうのではなく、もっと夢の島、あこがれの島ハワイを感じます。文明は私達に時間をくれたけど、ひきかえに心をもっていってしまったような気がします。
大橋節夫とハニーアイランダースのハワイアンてステキですね。スチールギターの音色に、ウクレレのキザミに、何か忘れかけたものを思いださせてくれるようです。
この歌、大、大、大好きな歌です。
先輩達はどうして、こんな美しい歌と出会えたのだろう…って嫉妬してしまいたいようです。私は、この歌を聞くと、なぜか、ジャズ・バラードなんだけどこれまた大好きな、ディズニーの「星に願いを」の日本語版かしらなんて、だぶって聞えて来るような気がするんです。
とにかく、美しい歌ですね…
ヘイ! これぞビッグバンドのダイナミック! ここちよさ、そんな歌ですね。
ブギって今このまま聞いても、新鮮にここちよくって、カッコイイ!! なんていいたい気分!
この歌ほど、その時代を知らないのにすさんだ、乾いた、絵が感じられるのもすごいなァーなんて。日本の歌の中でブルースの代表かもしれないなんて思ってしまいます。
私の中で、B.Bキング、エタ・ジェームスなど、私の好きな音がきこえるようです。
一高生と踊子の恋。
やっぱり今の時代には、絶対にないだろうと思える情景。
天城のうねった山道、深い山々、そして踊子との出逢い。
そんな自然と素朴な風景をどこまで表現できるか知れませんが、私なりに歌ってみました。
こんなに失恋を、せつせつと歌えると言うのも、この時代のモダンなのかしらと思います。
ビートが強く、失恋のブルースを、日本人がうたうとこうなるの… みたいなものを感じてしまいます。
高峰さんはとても美しい方です。この歌のモダン・モガと言われた時代が見えるようです。
今、オリジナルの歌を聞いていても、何て、切なくてそして、美しく、この時代文化的だったのかしらなんて思っています。
いつでしたか知人が、この歌を聞くと、クラッシック純愛を想いだすナァーなんて話してくれたのを、おもいだしました。
それって何ですか…と、私がたずねると、青年の頃、今日はクラッシックコンサートを聞きに行きましょうなんてデートをして、夜9時には家まで送ってあげる、なんて、そんな純愛をしたんだよ。なんて話をきいて…。
ワァー何と、文化的な、生活があったんだろうなんて、思って、それと同時に、この水色のワルツが、そういう歌なのか、なんておもえたり…。
ものすごいエネルギーとともにフランス人が、皆で♪オーシャンゼリゼ…♪なんて歌うように、日本人も初めて、自分の街にほこりを感じ、銀座(東京の代名詞のような)の楽しさが、華咲いたような歌なのかしら…。
私は“楽し都 ミヤコ 恋の都 ミヤコ”と思わずシャウトしたくなる。
この華やかに、うかれるような所が大好き!
今はほとんど、つかわれなくなってしまった、日本の美しい言葉に哀愁あるメロディー。
古関裕而さん、菊田一夫さんは、この歌の中にあたかもハリウッド映画の「慕情」を書かれたのかしらなんて思ってしまいます。
“いのち短し 恋せよ乙女…”
まるで、大正ロマンの中に教訓をのべているような…。 でも私も、みじかい一生、今、恋をするんだ、今を大切にするんだ、そう思えて…。この作者も、大正の時代に素朴に訴えたかったんだろうななんて、思えてきます。
“今日はふたたびこぬものを…”
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